FAQ/Cio2

殺菌やウイルスの不活化はどのように判断するのか?

殺菌剤の効果を評価する場合、多くの要因が殺菌効果に影響を及ぼします。その中で、もっとも重要な点は濃度と接触時間です。
一般的に濃度が高ければ高いほど殺菌効果が高くなり、同様に接触時間が長ければ長いほど殺菌効果が高くなります。
例えば、ある細菌を99%殺菌するために必要な濃度が1ppm、その際に必要な接触時間が1分である場合、濃度(Concentration)と接触時間(Time)を掛け算して、CT値=1と表現します。
EPA(アメリカ環境保護局)の水質管理に関するマニュアルによれば、二酸化塩素の殺菌効果についてこのCT値を用いて説明しています。
表1はpH6~9の範囲でウイルスを99.99%不活化するために必要なCT値を温度ごとに 説明しています。同様に表2ではジアルジアのシストを99.9%不活化するために必要な CT値を表3ではクリプトスポリジウムを99.9%不活化するために必要なCT値を説明しています。


表1 CT VALUES FOR 4-LOG INACTIVATION OF VIRUSES BY CHLORINE DIOXIDE pH 6-9

温度(℃)
<=1 5 10 15 20 25
50.1 33.4 25.1 16.7 12.5 8.4

表2 CT VALUES FOR 3-LOG INACTIVATION OF GIARDIA CYSTS BY CHLORINE DIOXIDE

温度(℃)
<=1 5 10 15 20 25
63 25 23 19 15 11

表3 CT VALUES FOR 3-LOG INACTIVATION OF CRYPTOSPORIDIUM BY CHLORINE DIOXIDE

温度(℃)
<=1 5 10 15 20 25
1830 1286 830 536 347 226

引用:EPA Guidance Manual LTIESWTR Disibfection Profiling and Berchmaiking


このように殺菌の効果は、phや温度、対象となる微生物の種類などによって変化します。
従って、テレビやパンフレットなどで単純に99%の殺菌効果といった記載を正しく理解するためには、その試験がどのような環境下で行われたのかまで考えなければ正しくその製品の効果を理解することはできません。